
考える人 2008年 05月号 [雑誌]
- 新潮社
- 1400円
書評/海外純文学

洋画より断然邦画が好きな人がいるように、
小説の世界においても、海外の作家が書いた、
いわゆる翻訳ものはまったく読まない人もいると思う。
そういう人はもしかしたら、共感する何かを本に求めているのかもしれない。
そう思うのは、自分が、海外の作家に求めるのがエキゾチックな視点で、
それはたまには、異なった場所で、異なった言語をあやつり、
様々な宗教や風習の中でさえ同じものが見出せる、
人の暮らしの普遍性だったりする。
私は、かつて実家で配本を受けていた、
「世界の文学」や「日本の文学」の全集を開くことで、
自分の中にその違いを位置づけていた。
海外の小説を読む事は、海外の諸事情を知るということでもあった。
だけれども、19歳で実家を離れた私がどれほどの、
いわゆる名作と言われるものを読んだのだろう・・。
名前をあげられれば、それも読んだ、あれも読んだと言えるかもしれない。
でも、名前もおぼつかない今となっては、
内容や読後の感想など覚えてもいやしない。
それでも心に残る何冊かはあった。
ロシアやフランスの作家たちの描いた人生の残酷さは、
そこまでは耐えられるというハードパンチの記憶になって、
免疫といえるものを作ってくれたように思う。
それから、様々な本を読んできた。
特に翻訳ものを好んで読んでいた時期がある。
それらの大半はたわいのない娯楽ものだったせいもあるけれども、
薄々感じていたのは、世界は縮まってきているということ。
多様化する価値観は、国という枠では固定されない。
ケイタイ小説というジャンルが確立されてきた現在、
文学はどこに向っているのだろう。
ジョン・アーヴィングが語っていた、
火をつけて、火を消す作業、そこに集約される気がする。
そう思うと、火をつけ、最後にガンガンその火を燃やし、
その燃えざまをどうだ、と、見せつけたまま終った、
潔い作家達に畏敬の念を禁じえない。
ホコリを被ったような昔のものにしておくのは惜しい。
時間に余裕ができ、人生の経験値もつみ、
精神的にも少しは成長しているだろうと思える今、
どの本が、この思いに応えてくれるのだろうか。
こんな心境もある中、
「本が好き!」の献本の中に、ぴったりのものを見つけた。
海外の長編小説ベスト100が特集されている雑誌「考える人」だ。
この1位から10位まであげてみると、
「百年の孤独」「失われた時を求めて」「ドン・キホーテ」「カラマーゾフの兄弟」
「城」「罪と罰」「白鯨」「アンナ・カレーニナ」「審判」「悪霊」となっている。
この中で読んだことがあるのは、たった2作品。
その後の100位までを見渡しても、
自分の読書歴の底の浅さというものしか感じ取れない。
このランキングは、作家、批評家、翻訳家、文学研究者、新聞記者、
エッセイスト、脳科学者、哲学者、精神科医など、
さまざまなジャンルの書き手129人が選び出した、
長編小説10作の序列から成り立っていて、
その129人の選んだ作品や理由をしめすコメントまで載っている。
この多彩さに、まず圧倒されて、
知るということは、知識とともに知性に通じるのだと感じいる。
格好いいなぁと思ったのだ。
そして、ぜひ、「百年の孤独」も読まなくてはと、
本の虫がウズウズしだした。
最新の翻訳が話題になっていた「ロリータ」は、ランキング13位で、
その奥行きを感じさせる書評に目が惹きつけられた。
時間に淘汰されず残るものにはそれだけの値があるはず。
ここに合わせて掲載されている、
各国のベスト100、ベスト50を眺めるもの面白い。
いつかマイベストがあげられるようになるといいなぁ。
ただし、私の場合は、純粋に娯楽用に読む本が大半なので、
ここまで重厚で、芳しい香りをはなつ文章の、
大層な作品でなくてもちっとも構わなかった。
読むということを純粋に奨励するような、
つまりは、すぐその気になり、どんどん読み進んでいくガイドになるような、
そんな手助けが、もう少しあっても良かったように思う。
「考える人」は、他の記事においても、
知性という基盤をもつ人のための雑誌だったように思う。
これが、私にはきつかった。
難しいことを難しく書くのは賢い人にとっては容易いことだろう。
例をあげると四苦八苦して読んだ中に、「偶有性の自然誌」というものがあった。
最初に読んだ時は何のこっちゃ?と、目を丸くした。
それでも、感想を書かなくてはいけないという義務感から、
何度となく読み、噛み砕くように取り込んでいったら、
書かれていることは、やっぱり何のことはない、
著者の所感が、著者の持てうる知識武装された文章で書かれているだけで、
ことさら、それが取り上げられる必要があるのか、
おバカな私にはわからなかった。
そこには、ただ真理が書かれているだけだった。
人に優しい文章が読みたいな。
そして、私も、こうして人の目に触れるものを、
あらゆる自意識やこっぱずかしさをかなぐり捨てて書く以上、
人に優しい文章を書かなくてはと思っている。
そのためにも、やっぱり、読書しなくちゃと思う。
次に、この「考える人」の雑誌を手にした時に、
読みこなせるようになるためにも。
今回の特集号は、全ての本好きさんに、これまでの読書歴をつきつけ、
今後をイージー・リーディングに甘んじるか、
本好きとしてのプライドを養成するに至るかのどっちかだ。
あなたが、どちらになるかは、
実際に、この雑誌を手にとってお考えくださいね。
私は、とりあえず(笑)、「百年の孤独」を読もうと思う。
そう思うのは、自分が、海外の作家に求めるのがエキゾチックな視点で、
それはたまには、異なった場所で、異なった言語をあやつり、
様々な宗教や風習の中でさえ同じものが見出せる、
人の暮らしの普遍性だったりする。
私は、かつて実家で配本を受けていた、
「世界の文学」や「日本の文学」の全集を開くことで、
自分の中にその違いを位置づけていた。
海外の小説を読む事は、海外の諸事情を知るということでもあった。
だけれども、19歳で実家を離れた私がどれほどの、
いわゆる名作と言われるものを読んだのだろう・・。
名前をあげられれば、それも読んだ、あれも読んだと言えるかもしれない。
でも、名前もおぼつかない今となっては、
内容や読後の感想など覚えてもいやしない。
それでも心に残る何冊かはあった。
ロシアやフランスの作家たちの描いた人生の残酷さは、
そこまでは耐えられるというハードパンチの記憶になって、
免疫といえるものを作ってくれたように思う。
それから、様々な本を読んできた。
特に翻訳ものを好んで読んでいた時期がある。
それらの大半はたわいのない娯楽ものだったせいもあるけれども、
薄々感じていたのは、世界は縮まってきているということ。
多様化する価値観は、国という枠では固定されない。
ケイタイ小説というジャンルが確立されてきた現在、
文学はどこに向っているのだろう。
ジョン・アーヴィングが語っていた、
火をつけて、火を消す作業、そこに集約される気がする。
そう思うと、火をつけ、最後にガンガンその火を燃やし、
その燃えざまをどうだ、と、見せつけたまま終った、
潔い作家達に畏敬の念を禁じえない。
ホコリを被ったような昔のものにしておくのは惜しい。
時間に余裕ができ、人生の経験値もつみ、
精神的にも少しは成長しているだろうと思える今、
どの本が、この思いに応えてくれるのだろうか。
こんな心境もある中、
「本が好き!」の献本の中に、ぴったりのものを見つけた。
海外の長編小説ベスト100が特集されている雑誌「考える人」だ。
この1位から10位まであげてみると、
「百年の孤独」「失われた時を求めて」「ドン・キホーテ」「カラマーゾフの兄弟」
「城」「罪と罰」「白鯨」「アンナ・カレーニナ」「審判」「悪霊」となっている。
この中で読んだことがあるのは、たった2作品。
その後の100位までを見渡しても、
自分の読書歴の底の浅さというものしか感じ取れない。
このランキングは、作家、批評家、翻訳家、文学研究者、新聞記者、
エッセイスト、脳科学者、哲学者、精神科医など、
さまざまなジャンルの書き手129人が選び出した、
長編小説10作の序列から成り立っていて、
その129人の選んだ作品や理由をしめすコメントまで載っている。
この多彩さに、まず圧倒されて、
知るということは、知識とともに知性に通じるのだと感じいる。
格好いいなぁと思ったのだ。
そして、ぜひ、「百年の孤独」も読まなくてはと、
本の虫がウズウズしだした。
最新の翻訳が話題になっていた「ロリータ」は、ランキング13位で、
その奥行きを感じさせる書評に目が惹きつけられた。
時間に淘汰されず残るものにはそれだけの値があるはず。
ここに合わせて掲載されている、
各国のベスト100、ベスト50を眺めるもの面白い。
いつかマイベストがあげられるようになるといいなぁ。
ただし、私の場合は、純粋に娯楽用に読む本が大半なので、
ここまで重厚で、芳しい香りをはなつ文章の、
大層な作品でなくてもちっとも構わなかった。
読むということを純粋に奨励するような、
つまりは、すぐその気になり、どんどん読み進んでいくガイドになるような、
そんな手助けが、もう少しあっても良かったように思う。
「考える人」は、他の記事においても、
知性という基盤をもつ人のための雑誌だったように思う。
これが、私にはきつかった。
難しいことを難しく書くのは賢い人にとっては容易いことだろう。
例をあげると四苦八苦して読んだ中に、「偶有性の自然誌」というものがあった。
最初に読んだ時は何のこっちゃ?と、目を丸くした。
それでも、感想を書かなくてはいけないという義務感から、
何度となく読み、噛み砕くように取り込んでいったら、
書かれていることは、やっぱり何のことはない、
著者の所感が、著者の持てうる知識武装された文章で書かれているだけで、
ことさら、それが取り上げられる必要があるのか、
おバカな私にはわからなかった。
そこには、ただ真理が書かれているだけだった。
人に優しい文章が読みたいな。
そして、私も、こうして人の目に触れるものを、
あらゆる自意識やこっぱずかしさをかなぐり捨てて書く以上、
人に優しい文章を書かなくてはと思っている。
そのためにも、やっぱり、読書しなくちゃと思う。
次に、この「考える人」の雑誌を手にした時に、
読みこなせるようになるためにも。
今回の特集号は、全ての本好きさんに、これまでの読書歴をつきつけ、
今後をイージー・リーディングに甘んじるか、
本好きとしてのプライドを養成するに至るかのどっちかだ。
あなたが、どちらになるかは、
実際に、この雑誌を手にとってお考えくださいね。
私は、とりあえず(笑)、「百年の孤独」を読もうと思う。



この雑誌、面白そうですね〜。
本は読みたいもの読むのが基本なのですが、他人がどんな本を読んでいて、どんな風に反応しているのか、って気になりますよね〜。
他人のお薦めにすぐ乗ってしまうタチなのですが、とりあえず、なんでもきっかけが重要だということにしておきましょう(笑)。
でもきっとリストを読んだだけで、満足しちゃいそうな私。
いやいや、そんなことではいけない
さっそくポチってきます。ご紹介ありがとうございました